みなさん、こんにちは。
清水です。
今回は、みなさまからよく質問を受ける、犬猫の肉食について。
肉食の場合、三大栄養素のタンパク質、脂肪、炭水化物の中で、炭水化物の摂取が少ない食事をすることになります。
(タンパク質の多い食事と書きたいのですが、報告によっては、脂肪含量が多い食事に対して「肉食」の表記があるため、このように表現しました)
犬や猫に三大栄養素を、自由に選択させた実験があります。
この結果は、犬猫ともに炭水化物の少ない食事を選びました。
猫はタンパク質、アミノ酸代謝に優れ(それ以外に適応しにくいという意味で代謝適応能力が劣るという見方もあります)、炭水化物代謝が苦手なことを考えると、納得の結果です。
野猫の食性の報告では、肉食だったという結果からも、猫は動物性の食事が必要だと考えられます。
犬は、ハイイロオオカミから分化して、人と共存していく中で、でんぷん消化やグルコースの取り込み能を獲得したという遺伝子レベルの報告があります。
これは、炭水化物の利用能が優れてきたということになり、先ほどの食事を自由に選択させた実験結果(炭水化物の少ない食事を選択した結果)とは異なります。
ハイイロオオカミの食性の報告は肉食という結果でしたが、獲物が少なく動物性の食事が十分に摂取できない時期でも、猫と異なり、タンパク質に頼らずともアルギニンやタウリンを対応できる能力があります。
犬は、動物性の食事が少なくても適応可能な動物なようです。
市販のドッグフードやキャットフードには炭水化物が多く含まれています。
このことに不安や疑問を覚えて、質問される方は多いです。
私自身の考えは、動物性の食事が必要な猫と、少なくても適応できる犬。という考えです。
どこまでタンパク質は多い方がいいのか、炭水化物が問題なのかは、結論が出ていません。
肉だけでは、必要な栄養素は満たせません。
肉食動物は、肉だけ食べているというわけではありません。
わんちゃん、ねこちゃんによっては、炭水化物量に耐えれずに病気になることもあるように感じています。
ただし、それは、そのフード中に含まれている炭水化物量が問題のこともあれば、単純に与えすぎて炭水化物を多くとりすぎた結果のこともあるようです。
食事内容に疑問や不安があれば、当院までご相談ください。
清水