みなさん、こんにちは。
清水です。
前回のお話は、AAFCO養分基準の表の見方。
今回は、食品成分表(正式名称:日本食品標準成分表2015年版(七訂))の使い方とAAFCO養分基準の表との比較の方法を説明します。
私の食品成分表との出会いは三訂です。どうだ!!
ご存知ですか?今は七訂です。
時代を感じますね。
しかも、以前は食品成分表の本から、食材を探して、量を計算していましたが、今やなんと、ネットの環境さえあれば、本を買わなくても食材の栄養素量を簡単に計算できます。
この計算までできる食品成分表のサイト名は、文部科学省が開発した食品成分データベースです。
ネットのつながらない環境でも計算を行いたい場合、文部科学省のサイトでは、エクセル形式で食品成分表をダウンロードすることもできます。
いや~、便利だね~。
そして、エクセルが使いこなせれば、ちょちょいがちょいと、計算できます。
エクセルは、数字を入力するだけ(数字を羅列するだけ)と思っているみなさん!(4年前の私はそうでした!)
エクセルって、足し算も引き算も、なんだったら掛け算も割り算も、意味のわからない計算も、
ピーーーーーってしたら、あっという間に計算できちゃうんですよ!!
すごいんです。
まだ、エクセルのすっばらしさを体感していないみなさん、ネット上には、わかりやすい説明もたくさんあるので、独学しちゃいましょう。
私もネットのみなさまに教えていただきました!
前置き長くなりました。
本題に入ります。
例題形式で説明します(数値は計算しやすいように設定しています)。
例)
鶏胸肉100 gは、タンパク質量が20 g、水分量が70 g、エネルギー量が130 kcalで
ごはん100 gは、タンパク質量が5 g、水分量が60 g、エネルギー量が150 kcalの時、
1日に280 kcal必要なワンちゃんに、鶏胸肉100 gとごはん100 gで手作り食を作ろうとした場合、この食事はタンパク質量はAAFCO養分基準を満たすのか?
(ちなみに、AAFCO養分基準のタンパク質の下限は、1000 kcalあたり45 gである。)
計算)
まず、鶏胸肉100 gとごはん100 g、合計280 kcalなので、この例題のワンちゃんの1日分の食事になります。
このふたつの食材の合計200 gには、タンパク質が25 g、水分量が130 g、エネルギー量が280 kcal含まれます。
まだ、足し算をしただけです。
タンパク質は25 g/200 g(食材合計量)/280 kcal(合計エネルギー量)です。
つまり、食材合計量200 gあたり(合計エネルギー量280 kcalあたり)、タンパク質は25 g含まれます。
AAFCO養分基準は、1000 kcalあたり45 g以上のタンパク質になるように定められています。
280 kcalあたりだと、12.6 gになります。
よって、AAFCO養分基準を、280 kcalあたりで考えると、12.6 g以上のタンパク質が必要です。
先ほどの計算では、食材合計中のタンパク質は25 g含まれていたので、AAFCO養分基準の下限のほぼ2倍量になり、基準を満たします。
水分量は何のため?
AAFCO養分基準のエネルギーあたりの表で比較する場合、上記の計算を行います。
DM(乾物)あたりの表で比較する場合、水分量(130 g)を除く必要があります。
食材の合計量は200 gですが、水分量を除くと70 gです。
これが、この手作り食の乾物量です。
つまり、この手作り食の乾物量70 gあたり、タンパク質が25 g含まれます。
AAFCO養分基準のDMあたりのタンパク質の下限は、18%です。
つまり、乾物70 gの18%以上はタンパク質でなければなりません。
70×18/100=12.6 gです。
乾物70 gに12.6 g以上のタンパク質が求められます。手作り食には25 g含まれていたので、下限のほぼ2倍量であり、エネルギーあたりのAAFCO養分基準による比較と同様に、基準を満たします。
というように、他の栄養素も計算して比較します。
手作り食が、AAFCO養分基準を満たしているかどうか、一度も行ったことがない場合は、ぜひお試しください。
満たしていない場合、次回の手作り食から、その栄養の内容がグーンと改善できます。
計算が面倒くさい、または、上記説明では意味が分からない場合、当院まで遠慮なく、ご相談ください。
其の参(その3)につづく・・・(その4までだよ!)
清水